大親友の彼女のほうが美味しいパスタ作る場合

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昨日は朝から腹痛で大学に行く気が泣くなり、休みの連絡を入れてトイレに篭っていた。腹痛が治ったら雨の中サフレ(サクッとお茶をするフレンズ)とお茶をする。「どうすれば彼女とデートしてる風な写真を撮れるか」とひたすら2人でInstagramを起動する。窓の外を見ると、そんなぼくらを「アホか」と言うように豪雨。俯瞰視してもいいことがあるのはサッカーの試合中ぐらいである。

 

その前日には、高校からの親友と親友の彼女と三人で秋葉原で飲んでいた。

親友は彼女と付き合って四年目であり、結婚のことなんても考えてるとかいう。生年月日が全く同じだから、ぼくも同じように2001年に小学生になって同じオリンピックを同じ年齢で見て同じセンター試験を受けて同じ成人式をサボったはずなのに、この差はなんだ、と思いながらぼくは親友と親友の彼女を待った。

親友の彼女はめちゃくちゃ可愛かった。

 

可愛すぎて嫉妬とかも起きない。「あ〜ぼくはこの子とは絶対付き合えないな〜」と完全降伏。親友のことは尊敬していたが、そんな素敵な女の子を四年も恋人関係でい続けたのは本当にすごい。さらに尊敬した。

親友の彼女は何を頼んでたっけ。もやしナムルとシークワーサーサワーだったっけな。親友の彼女が1杯飲む間に、ぼくは4杯も飲んでたけど、親友はいつもはぼくと同じぐらい飲んでるというのに彼女に合わせていつもより飲まない。かっこいい。

ぼくはさすがにいいやつぶらなあかんと思って、親友がトイレに立ったときに彼女に「あいつはアホやけど本当にいいやつだから」と言った。彼女はにっこりと笑って「私もそう思います」なんて言う。やめろ。死ぬ。可愛い。

 

 

解散するときに、駅の改札まで2人を見送る。バイバーイと笑顔の表情で2人はくるりとぼくに背を向けて、そして改札を通り過ぎると2人の表情が変わる。カップルの表情だ。

カップルの表情。2人でいるときにしか見せない表情ってあると思う。ぼくは知らんけど。

 

あの2人良かったな、幸せになってほしいな、と思いながら帰ったら途中でいつも行くワインバーのおじさんにつかまって、2人でワインを飲んだ。

 

いつもより酔っ払ってその次の日は頭がクラクラしたけど、全く嫌な気分ではなかった。

 

 

おばあちゃんのケーキ

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最近食べたシフォンケーキ。焼いたやつと焼いてないやつがあったんだけど、焼いてないほうがシンプルにうまい。

 

ぼくは焼き菓子が大好きで、中でもパウンドケーキが一番好き。パウンドケーキは夢がある。いろんな味の変え方ができるし、割と何をしても美味しい。紅茶のパウンドケーキに潰したカルダモンやシナモンなどを加えて「チャイのパウンドケーキ」を作ったことがある。我ながらなかなかの出来だった。

レシピ本もパウンドケーキのレシピ本がお菓子のレシピ本の中でもかなり楽しい。酒粕と桜の塩漬けのパウンドケーキとか、金柑とレモングラスのパウンドケーキとか、想像するだけで幸せな気持ちになる。ドキドキワクワクするような感じ。パウンドケーキはドキドキワクワクが他のお菓子よりも強い気がする。

 

今、実習でおじいちゃんおばあちゃんと接することが多く、そういうときにはやっぱり決まっておばあちゃんのことを思い出す。

 

母方のおばあちゃんは会うたびに元気元気でもはやうるさい。「すぽちゃんはほんまに優しいなあ!」と会うたびに泣いてくれる。孫馬鹿がすぎると思う。面白いエピソードはやまほどある。母はそんな祖母を「野性」と表現する。

それに引き換え父方の祖母は静かである。最近は会うたびに元気がなくなっているのでそれが少し寂しい。昔は一緒に高島屋に行って、グリル東洋亭のハンバーグとか食べていたのになあ。トマトのサラダが美味しいのだ。

 

そんな父方の祖母はぼくがまだ子どもの頃、よくケーキを作ってくれた。

ココアのマーブルケーキと、ベイクドチーズケーキ

ココアのマーブルケーキは少し変わった形をしていて、真ん中に穴が空いたドーナツみたいな型で焼く。クリスマスに飾るリースみたいな大きさのドーナツ型。変な波波の型がつく。

たまにチョコレートの塊が入っていたりする。そしていつも上からおばあちゃんの漬けていた梅酒を塗る。なぜかこの梅酒がよく合った。ケーキの甘みとココアの苦味と梅酒の酸味が、どうしてか調和していた。

ベイクドチーズケーキは正方形の型で焼き上げられる。それはもう濃厚も濃厚って感じでけっこう重い。でも、ヨーグルトやレモン汁の酸味が効いてるし、なによりシナモンパウダーの香りが良い。ぼくはおばあちゃんのおかげでシナモンパウダーのことを知ることができた。

今はもう食べることがない。おばあちゃんも多分作る元気がないだろう。

 

ぼくの一人暮らしの家にはなぜかオーブンがあるから、きっと作ろうと思えば作れると思う。

でも、なんだかそのレシピを知りたくないなあ、と思うのだ。

おばあちゃんが作ったから多分うまかった。そういうケーキなんだろうなと思う。

同じレシピでぼくが作っても、それはただの美味しくも不味くないケーキなのだ。あのケーキなんかじゃなくて。たぶん。

爽やかに酔えば 大和撫子が 踊れ火の如く

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昼から飲むビールが一番美味い写真。

 

酔っ払ったときに人の本性が現れるという。

確かにお酒の力は凄い。お酒の力があれば「前から思ってたけど、君の睫毛長いよね」なんて恥ずかしがらずに言うことができるのである。

女の子だって酔ってしまえばガードが緩くなる。だから男は女の子に気を遣いながらも酒を勧めようとするし、女の子も女の子で「ここで飲んだら家帰れるかわからないんだけどな」と思いながらメニューの「ゆずはちみつサワー」の文字を目で追ったりする。

しかも酔っ払えば記憶をなくしてしまえるらしい。記憶がなくなれば好都合なことなんかこの世にたくさんある。メン・イン・ブラックみたいに、パッと記憶を消せればな、といつも思う。メン・イン・ブラックは最高の映画だよ。

 

しかし残念なことに、ぼくは酔っ払って誰かに言ったことを全て覚えてしまっている。

 

朝起きてランニングをしながら思う。そういえばあのときあんなこと言ってなかったっけ? と。

なんであんなこと言ってしまったんだ。「ぼくはキミのためなら変われるから」なにそれ!? えっ!? キモ! キモくない? しんどい。成人した男子がそんなこと言ってるのめちゃくちゃしんどい。高校生なんかとっくの昔に終わってるよ?

しかも酔って言うことって本性とか正直なこととか言うじゃないですか。えっ、ぼくの本心それ? それ? そんな恥ずかしいことがぼくの本心? えっ?

しかももっと恥ずかしいこと言ってる。いやいやいや。相手が酔ってるとはいえ酷い。忘れててくれ。本当に忘れてて欲しい。忘れてる、ってことにしてくれ。

 

そう恥ずかしくなってぼくはまたホッピーを飲む。仕方ない男だな、と思う。

もっと世間一般のシティーボーイはさ、おしゃれなカフェで本でも読んでるんだろうな。

ぼくは中お代わりと唱えて、一人でまた頭抱えるのである。

アツがナツいぜ

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ビニールプールに大量の氷と大量のハートランドビールとワインと日本酒。氷水につけたスイカ。

 

夏である。

 

夏は嫌いって言ったほうがかっこいい気がする。なんか「夏が好きだ」って言うとチャラくて浮かれてるみたいな感じがする。だいたいぼくは暑いのが嫌いだし。地元の京都はクソ暑かった。べっとりと暑さがまとわりつく感じ。なんで出かけようとしたんだろう、といつも思いながら出かけていた。

 

でも、夏の夜の風の香りはどうしても嫌いになれない。

春夏秋冬とあるけれど、風の香りが一番強いのは夏だと思う。日差しよりも、暑さよりも、夏だなあと感じる瞬間は夏の風の香りのせいだと思う。

 

キンキンに冷えたラムネとか、エアコンの香りとか、外に出たときのむわっとした感じとか、Tシャツと半パンで誰かと夜を歩くときの背徳感とか。

スイカバーとか、ネギとミョウガたっぷりの冷奴とビールとか、鱧の湯引きとか、トマトを丸かじりするのとか。

 

夏だなあ。

夏、好きだなあ。

そしてぼくは「サマー・タイムマシンブルース」をまた観る

 

踊り場ディスコ、ダンスダンス

 

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つらくなったら非常階段に行くと以前言っていた。ぼくは今非常階段にいる。ここまでくると非常じゃなくて常だなと思う。常階段に座っている。

 

そして自分の人生をぼーっと振り返ってみると、ぼくは階段が好きだな、と思う。

階段が好き、ってどういうことだ。でも、なんだかぼくの23年という長いのか短いのかよくわからん人生の思い出の節々に階段が出てくる。

 

小学校の頃、久世君という友達とよく非常階段に並んで座って話をしていた。何を話していたんだろう。でも、周りのみんながドッジボールやかけっこに忙しい中間休みという20分、ぼくはずっと久世君と話していた。久世君は高校の卒業とともに、なんとか運輸で働きはじめたらしい。成人式の日に突然電話が来てびっくりしたなあ。未だにあだ名が小学校の頃と一緒だった。

中学の頃、当時ちょっと仲よかった女の子とよく話していたのも階段だった。坂道の多い住宅街に突然現れた階段だった。別に景色は良くないんだけど、階段に座っているだけで、背の高い家屋も植木鉢も、全く知らない街のものに見えたような気がしてぼくは好きだった。たぶん、思い出補正。

大学生になって友達が全然できなくて、それでお昼ご飯をどこで食べようってなったとき、さすがに便所飯は嫌だったから近くの公園の階段に座ってよく食べていた。桜の木がそこにあって、春夏秋冬と景色が変わりゆくのに頑張って風情を見出そうとして、夏の暑いのとか冬の寒いのとかを堪えた。

去年の夏、初めての海外旅行でパリに行ったとき、一番気に入った場所はモンマルトルの住宅街の中にあった階段。パリの市街を一望できる最高の階段だった。周りの家屋の異国感とか、青い空も曇り空も、ぼくには新鮮で、そしてずっと嗅いでいたい香りを醸していた。ぼくはそこには3度ほど行ったかな。旅行中。朝に、セバスチャン・ゴダールパン・オ・ショコラと、その辺りで売ってたコーヒーを買って、そこで食べるのが好きだった。また行きたいな、パリ。

 

階段に座っている時間ならそこらの人より多い気がする。そして立ち上がったぼくは、そこから上ったり下ったりしている。

好きな人と階段で座ってお喋りとかしたいな、とか考えたりしたけど、好きな人を階段なんかに座らせるわけにはいかないな、なんて思った。

じゃあ踊り場のベンチとかどうだろう。踊り場にベンチがあればいいな。そこに座ってもらおう。

でもぼくは階段に座る気がする。アホなんだろう。

ぼくの人生も立ち止まる時はたぶん絶対に階段の途中だと思う。そこから上っていくのか下りていくのかは知らない。まあ、上って行ってくれたらいいなと思う。

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遠い国からミサイルが来るそうだ

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クリームソーダを飲んだ。初めて。

一昨日はなんか大学疲れたなあと思ってたら、いつものサフレ(サクッとお茶を飲むフレンズ)と「ラドリオ」でお茶をしようとなった。19時のことである。

「ラドリオ」は日本で初めてウインナーコーヒーを提供したということで神保町ではかなり有名な喫茶店である。古いシャンソンが店内にはずっと流れていて、シックな赤いソファとかアンティーク調の薄暗い照明とか見ていると、ベタな表現だけどタイムスリップしたみたいな気分になる。でも店内ではiPadをいじってる人がいる。ぼくもiPhoneInstagramを起動している。タイムスリップというわけではないらしい。

 

すごく疲れていたのでコーヒーというよりもなんだか甘くてさっぱりしたものが飲みたいと思った。メニューを見ていたら「クリームソーダ」の文字がある。そういえば最近ずっとクリームソーダが飲みたかった気がする。雨が降ってて寒かったけど、ぼくはクリームソーダを注文した。可愛い店員さんの前だから、かっこつけて「クリームソーダのカクテル」なんて洒落たものにしようかなとちょっと迷ったけど。

さて。多分ぼくはクリームソーダを初めて飲む。

ぼくはクリームソーダの飲み方を知らない。

「どうやって飲めばええんかな」

「以前、アイスクリームをもう全部溶かしてから飲んでる人を見たよ」

「正解がわからん」

「好きに飲めばいいんじゃないですか?」

目の前の彼はよく「好きにしたらいいんじゃない?」という気がする。多分ぼくがいつもしょーもないことで悩んでるからだろう。ぼくも多分「好きにしたらいいんじゃない?」と思っている。

とりあえずアイスをシャクシャク食べたりソーダを飲んだりしてみた。美味い。想像通りの味がすると思ってたら、想像以上に美味かった。まさかクリームとソーダが合わさるとこんな味になるとは。もちろん、さくらんぼは最後に残した。

クリームソーダの色って不思議な色だと思う。

けっこーキツイ緑色なのに人工的な感じがあんまりしない。例えるならほら、宝石なんかが一番だと思う。お店のオレンジ色の電球の光に反射してキラキラと輝いている。キラキラ、なんて久しぶりに使ったけど、それが一番的確だ。

「あの子の彼氏がさ」

「そういえばあのオレンジ色のロングスカートが」

「鎌倉は晴れてた?」

「ノースリーブのワンピースが可愛い」

一部分だけ抜粋すると女の子がするような会話を男2人でしていた気がする。

なんだかクリームソーダのキラキラがそうさせたんだと思う。

結局、クリームソーダの飲み方はまだわからない。

 

 

ホッピー外1中3チューハイ2杯なんかよくわからんワインベースのカクテル2杯

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朝にトマトを食べる。トマト大好き。丸かじりするのが良い。口の周りがベタベタになる。

 

昨日は帰宅途中に近所のおじさんに「すぽんくんじゃないか!」と声をかけられた。よく1人飲みをしているときに隣になる70歳のおじさん。最近いつものお店で見てないなーと思ってて結構久しぶりにあった。ちょうどお店から出てきたところらしく、ほろ酔い気味だったおじさんは「よし、リターンしよう」とぼくを誘ってさっきまで飲んでたいつもの店に戻った。

2人でホッピーを飲んでると、また常連の、ぼくによく絡んでくるおじさんに久しぶりに会う。その人は60ぐらいのおじさん。スラッとした体型で、顔がかっこいい。現役バリバリで働いていて「常にエキサイティングなことを求めなきゃいけない」といつもぼくに言っている。

 

始めに一緒に飲んでたおじさんはさすがに飲みすぎたと途中で帰ってしまい、残されたぼくのエキサイティングおじさんは2人でまたホッピーを飲んでいた。

「すぽちゃん、ホヤ好き?」

急におじさんは(おじさんはぼくのことを下の名前でちゃん付けで呼ぶ)そう言った。はて? と思ったけどその日のメニューには「ホヤ酢」というものがあって、なるほどと思った。

「まぁ、食べるけど好んではってぐらいです」

「俺、嫌いなんだよね。ホヤ。この歳になっても食えない」

そう言っておじさんはタバコの灰を灰皿に落として「ホヤを食おう」と言った。

「大事なのはチャレンジ精神なんだよ、食おう。ホヤを食おう。あとセロリも嫌いなんだ。セロリ食おう」

そしておじさんは「ホヤ酢(290円)」と「セロリ(250円)」を注文した。

「出来ないことがあるとやりたくなるだろ。女も一緒。ちょろい女なんて燃えないだろ? 難しい女と寝るから燃えるんだ」

なんとなくホヤを注文しながらその話題はやめてくれ、なんとなく、そう思ってたらホヤはすぐ出てきた。食べてみると、やはり磯臭い。食えなくはないけど、なんか、旨味を無くした貝って感じがする。

おじさんはつまみながら意味深な笑みを浮かべ、そしてチューハイを飲んでいた。チューハイといっても本当に炭酸と焼酎だけの飲み物って感じで。香りづけにちょっとレモンの切れ端が入ったものである。

「不味い!」

隣のお客さんが頼んでいたニラレバを見て「なぜニラレバを頼まなかったんだ!」と笑っていた。60になって何してんだこの人、と思いながら、このおじさんにはいつも憧れる。

二件目行くぞ! ってなって隣の居酒屋に行って白ワインとジンジャーエールのカクテルみたいなのを飲んだ。あんまり味は覚えていない。

そこでも久しぶりに会うおじさんと出会った。なんだか今日は久しぶりに出会う人ばかりだ、と笑ってたら「若いんだから女と飲めや」と怒られた。

帰ったのは23時過ぎ。何してんだ60歳って思った人に、何してんだ23歳って思われてるんだろうな、と思い出すとちょっと可笑しい。