爽やかに酔えば 大和撫子が 踊れ火の如く
昼から飲むビールが一番美味い写真。
酔っ払ったときに人の本性が現れるという。
確かにお酒の力は凄い。お酒の力があれば「前から思ってたけど、君の睫毛長いよね」なんて恥ずかしがらずに言うことができるのである。
女の子だって酔ってしまえばガードが緩くなる。だから男は女の子に気を遣いながらも酒を勧めようとするし、女の子も女の子で「ここで飲んだら家帰れるかわからないんだけどな」と思いながらメニューの「ゆずはちみつサワー」の文字を目で追ったりする。
しかも酔っ払えば記憶をなくしてしまえるらしい。記憶がなくなれば好都合なことなんかこの世にたくさんある。メン・イン・ブラックみたいに、パッと記憶を消せればな、といつも思う。メン・イン・ブラックは最高の映画だよ。
しかし残念なことに、ぼくは酔っ払って誰かに言ったことを全て覚えてしまっている。
朝起きてランニングをしながら思う。そういえばあのときあんなこと言ってなかったっけ? と。
なんであんなこと言ってしまったんだ。「ぼくはキミのためなら変われるから」なにそれ!? えっ!? キモ! キモくない? しんどい。成人した男子がそんなこと言ってるのめちゃくちゃしんどい。高校生なんかとっくの昔に終わってるよ?
しかも酔って言うことって本性とか正直なこととか言うじゃないですか。えっ、ぼくの本心それ? それ? そんな恥ずかしいことがぼくの本心? えっ?
しかももっと恥ずかしいこと言ってる。いやいやいや。相手が酔ってるとはいえ酷い。忘れててくれ。本当に忘れてて欲しい。忘れてる、ってことにしてくれ。
そう恥ずかしくなってぼくはまたホッピーを飲む。仕方ない男だな、と思う。
もっと世間一般のシティーボーイはさ、おしゃれなカフェで本でも読んでるんだろうな。
ぼくは中お代わりと唱えて、一人でまた頭抱えるのである。