アツがナツいぜ

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ビニールプールに大量の氷と大量のハートランドビールとワインと日本酒。氷水につけたスイカ。

 

夏である。

 

夏は嫌いって言ったほうがかっこいい気がする。なんか「夏が好きだ」って言うとチャラくて浮かれてるみたいな感じがする。だいたいぼくは暑いのが嫌いだし。地元の京都はクソ暑かった。べっとりと暑さがまとわりつく感じ。なんで出かけようとしたんだろう、といつも思いながら出かけていた。

 

でも、夏の夜の風の香りはどうしても嫌いになれない。

春夏秋冬とあるけれど、風の香りが一番強いのは夏だと思う。日差しよりも、暑さよりも、夏だなあと感じる瞬間は夏の風の香りのせいだと思う。

 

キンキンに冷えたラムネとか、エアコンの香りとか、外に出たときのむわっとした感じとか、Tシャツと半パンで誰かと夜を歩くときの背徳感とか。

スイカバーとか、ネギとミョウガたっぷりの冷奴とビールとか、鱧の湯引きとか、トマトを丸かじりするのとか。

 

夏だなあ。

夏、好きだなあ。

そしてぼくは「サマー・タイムマシンブルース」をまた観る

 

踊り場ディスコ、ダンスダンス

 

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つらくなったら非常階段に行くと以前言っていた。ぼくは今非常階段にいる。ここまでくると非常じゃなくて常だなと思う。常階段に座っている。

 

そして自分の人生をぼーっと振り返ってみると、ぼくは階段が好きだな、と思う。

階段が好き、ってどういうことだ。でも、なんだかぼくの23年という長いのか短いのかよくわからん人生の思い出の節々に階段が出てくる。

 

小学校の頃、久世君という友達とよく非常階段に並んで座って話をしていた。何を話していたんだろう。でも、周りのみんながドッジボールやかけっこに忙しい中間休みという20分、ぼくはずっと久世君と話していた。久世君は高校の卒業とともに、なんとか運輸で働きはじめたらしい。成人式の日に突然電話が来てびっくりしたなあ。未だにあだ名が小学校の頃と一緒だった。

中学の頃、当時ちょっと仲よかった女の子とよく話していたのも階段だった。坂道の多い住宅街に突然現れた階段だった。別に景色は良くないんだけど、階段に座っているだけで、背の高い家屋も植木鉢も、全く知らない街のものに見えたような気がしてぼくは好きだった。たぶん、思い出補正。

大学生になって友達が全然できなくて、それでお昼ご飯をどこで食べようってなったとき、さすがに便所飯は嫌だったから近くの公園の階段に座ってよく食べていた。桜の木がそこにあって、春夏秋冬と景色が変わりゆくのに頑張って風情を見出そうとして、夏の暑いのとか冬の寒いのとかを堪えた。

去年の夏、初めての海外旅行でパリに行ったとき、一番気に入った場所はモンマルトルの住宅街の中にあった階段。パリの市街を一望できる最高の階段だった。周りの家屋の異国感とか、青い空も曇り空も、ぼくには新鮮で、そしてずっと嗅いでいたい香りを醸していた。ぼくはそこには3度ほど行ったかな。旅行中。朝に、セバスチャン・ゴダールパン・オ・ショコラと、その辺りで売ってたコーヒーを買って、そこで食べるのが好きだった。また行きたいな、パリ。

 

階段に座っている時間ならそこらの人より多い気がする。そして立ち上がったぼくは、そこから上ったり下ったりしている。

好きな人と階段で座ってお喋りとかしたいな、とか考えたりしたけど、好きな人を階段なんかに座らせるわけにはいかないな、なんて思った。

じゃあ踊り場のベンチとかどうだろう。踊り場にベンチがあればいいな。そこに座ってもらおう。

でもぼくは階段に座る気がする。アホなんだろう。

ぼくの人生も立ち止まる時はたぶん絶対に階段の途中だと思う。そこから上っていくのか下りていくのかは知らない。まあ、上って行ってくれたらいいなと思う。

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遠い国からミサイルが来るそうだ

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クリームソーダを飲んだ。初めて。

一昨日はなんか大学疲れたなあと思ってたら、いつものサフレ(サクッとお茶を飲むフレンズ)と「ラドリオ」でお茶をしようとなった。19時のことである。

「ラドリオ」は日本で初めてウインナーコーヒーを提供したということで神保町ではかなり有名な喫茶店である。古いシャンソンが店内にはずっと流れていて、シックな赤いソファとかアンティーク調の薄暗い照明とか見ていると、ベタな表現だけどタイムスリップしたみたいな気分になる。でも店内ではiPadをいじってる人がいる。ぼくもiPhoneInstagramを起動している。タイムスリップというわけではないらしい。

 

すごく疲れていたのでコーヒーというよりもなんだか甘くてさっぱりしたものが飲みたいと思った。メニューを見ていたら「クリームソーダ」の文字がある。そういえば最近ずっとクリームソーダが飲みたかった気がする。雨が降ってて寒かったけど、ぼくはクリームソーダを注文した。可愛い店員さんの前だから、かっこつけて「クリームソーダのカクテル」なんて洒落たものにしようかなとちょっと迷ったけど。

さて。多分ぼくはクリームソーダを初めて飲む。

ぼくはクリームソーダの飲み方を知らない。

「どうやって飲めばええんかな」

「以前、アイスクリームをもう全部溶かしてから飲んでる人を見たよ」

「正解がわからん」

「好きに飲めばいいんじゃないですか?」

目の前の彼はよく「好きにしたらいいんじゃない?」という気がする。多分ぼくがいつもしょーもないことで悩んでるからだろう。ぼくも多分「好きにしたらいいんじゃない?」と思っている。

とりあえずアイスをシャクシャク食べたりソーダを飲んだりしてみた。美味い。想像通りの味がすると思ってたら、想像以上に美味かった。まさかクリームとソーダが合わさるとこんな味になるとは。もちろん、さくらんぼは最後に残した。

クリームソーダの色って不思議な色だと思う。

けっこーキツイ緑色なのに人工的な感じがあんまりしない。例えるならほら、宝石なんかが一番だと思う。お店のオレンジ色の電球の光に反射してキラキラと輝いている。キラキラ、なんて久しぶりに使ったけど、それが一番的確だ。

「あの子の彼氏がさ」

「そういえばあのオレンジ色のロングスカートが」

「鎌倉は晴れてた?」

「ノースリーブのワンピースが可愛い」

一部分だけ抜粋すると女の子がするような会話を男2人でしていた気がする。

なんだかクリームソーダのキラキラがそうさせたんだと思う。

結局、クリームソーダの飲み方はまだわからない。

 

 

ホッピー外1中3チューハイ2杯なんかよくわからんワインベースのカクテル2杯

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朝にトマトを食べる。トマト大好き。丸かじりするのが良い。口の周りがベタベタになる。

 

昨日は帰宅途中に近所のおじさんに「すぽんくんじゃないか!」と声をかけられた。よく1人飲みをしているときに隣になる70歳のおじさん。最近いつものお店で見てないなーと思ってて結構久しぶりにあった。ちょうどお店から出てきたところらしく、ほろ酔い気味だったおじさんは「よし、リターンしよう」とぼくを誘ってさっきまで飲んでたいつもの店に戻った。

2人でホッピーを飲んでると、また常連の、ぼくによく絡んでくるおじさんに久しぶりに会う。その人は60ぐらいのおじさん。スラッとした体型で、顔がかっこいい。現役バリバリで働いていて「常にエキサイティングなことを求めなきゃいけない」といつもぼくに言っている。

 

始めに一緒に飲んでたおじさんはさすがに飲みすぎたと途中で帰ってしまい、残されたぼくのエキサイティングおじさんは2人でまたホッピーを飲んでいた。

「すぽちゃん、ホヤ好き?」

急におじさんは(おじさんはぼくのことを下の名前でちゃん付けで呼ぶ)そう言った。はて? と思ったけどその日のメニューには「ホヤ酢」というものがあって、なるほどと思った。

「まぁ、食べるけど好んではってぐらいです」

「俺、嫌いなんだよね。ホヤ。この歳になっても食えない」

そう言っておじさんはタバコの灰を灰皿に落として「ホヤを食おう」と言った。

「大事なのはチャレンジ精神なんだよ、食おう。ホヤを食おう。あとセロリも嫌いなんだ。セロリ食おう」

そしておじさんは「ホヤ酢(290円)」と「セロリ(250円)」を注文した。

「出来ないことがあるとやりたくなるだろ。女も一緒。ちょろい女なんて燃えないだろ? 難しい女と寝るから燃えるんだ」

なんとなくホヤを注文しながらその話題はやめてくれ、なんとなく、そう思ってたらホヤはすぐ出てきた。食べてみると、やはり磯臭い。食えなくはないけど、なんか、旨味を無くした貝って感じがする。

おじさんはつまみながら意味深な笑みを浮かべ、そしてチューハイを飲んでいた。チューハイといっても本当に炭酸と焼酎だけの飲み物って感じで。香りづけにちょっとレモンの切れ端が入ったものである。

「不味い!」

隣のお客さんが頼んでいたニラレバを見て「なぜニラレバを頼まなかったんだ!」と笑っていた。60になって何してんだこの人、と思いながら、このおじさんにはいつも憧れる。

二件目行くぞ! ってなって隣の居酒屋に行って白ワインとジンジャーエールのカクテルみたいなのを飲んだ。あんまり味は覚えていない。

そこでも久しぶりに会うおじさんと出会った。なんだか今日は久しぶりに出会う人ばかりだ、と笑ってたら「若いんだから女と飲めや」と怒られた。

帰ったのは23時過ぎ。何してんだ60歳って思った人に、何してんだ23歳って思われてるんだろうな、と思い出すとちょっと可笑しい。

思春期が終わる頃に君に会いたかったと思う

20センチュリー・ウーマン

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めっちゃいい映画でした。「ララランド」「T2」と続いて今年はいい映画に恵まれてる気がする。

なんかこう、パッと「ああ、そういうことだったんだ」って気付かせるような映画。別に人生観が変わるとかそういう大げさなことじゃないんだけど、あのときのモヤモヤとか影とかそういうのを、すーっ、と晴らしてくれるような。

あらすじは、まぁ映画の公式サイトとか見てくれたらいいんですけど。とりあえず「思春期の少年が周囲の大人や子どもたちと交流する」話。簡単に言うと。簡単すぎる。

 

で、観ていると気づくことがある。「ああ、自分はいろいろサボってきたんだな」と。

例えば15のときに何してたかって考えると、覚えたてのインターネットで様々な知識から偏見を構築してそれをひけらかして博士気取りして、周りとの交友もそこそこ、恋愛なんて、とか思ったりしてでも興味はあるから好きな音楽にその気持ちを投影して、もちろんセックスなんてする相手なんてもいなかったし。

でもこの映画の少年は、そういったぼくのしてなかった、考えてなかったことに正面からぶつかっている。

最近上手くいかなかったこととかよくわかんなかったこととかいっぱいあって、ああ、こういうのって15とか17のときに考えたり経験しておけばわかってたんだろうな、と。

 やばい。もしかしたらぼく思春期終わってなかったのかも。

23にもなって思春期ってどうなんだ。

 

ああ!やばい!

そう思って映画館から出てなんかよくわかんないけど神楽坂と歩きたくなってコンビニでビールを買ってla kagùの前の階段のところでサッポロ黒ラベルを飲みながらwhitest boy aliveのアルバムを聴いてた。

そろそろ夏なんだけど夕方はちょっと冷える。オーバーサイズのシャツの襟の隙間とかから風がすーっと入ってくるのが気持ちいい。

なんだか自分の人生って、いろいろだめだなあ、と思いながらも、これから学ぶことがたくさんある、それもまた面白いのではと前向きに考えたりもする。

ビールを飲んでるときのぼくは強い。それに、サッポロ黒ラベルだし。でも、神楽坂でぼくみたいに缶の酒飲んでるの、ぼくとそこの電話で喧嘩してるメンヘラの女の子だけなんだけど、どうなんだろう。

 

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シュワ、シュワ、シュワシュワ弾ける

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急にクリームソーダが飲みたくなったのが昨日。

クリームソーダってそういえばちゃんと飲んだことない気がする。ものすごく味の想像はできるんだけど。多分クリームソーダを飲んだ瞬間に思うのは「なるほど、おおかた想像通りだ」という納得だと思う。

だから期待を超えない裏切らないクリームソーダを飲みたくなった。なんというか安心感がある。クリームソーダ。しゅわしゅわと弾けて刺激的なのに安心感がある。こんな飲み物、他にあるだろうか。

 

神保町をうろうろする。さぼうるはやっぱり行列。諦めてラドリオでも行こうかと思ったら満席。いや、じゃあミロンガ。流石のミロンガにはクリームソーダがあるに違いない。そう思ってミロンガに入って渡されたメニューにはクリームソーダがなかった。確かに入り口には「珈琲とビールのお店」って書いてあったけどさ。でも、クリームソーダぐらいあってもいいじゃん。 

そういえばミロンガっていうのはアルゼンチンかどっかのタンゴのことを言うらしい。店内にはいつもタンゴが流れている。店員さんが可愛い。シックな店内なんだけど、陽気でどこか心地よいタンゴのリズムが心を少しだけ高揚させてくれる気がする。少しだけ、というのがミソだ。高揚しすぎると落ち着かない。なんか、リラックス出来るんだけど、ちょっと前向きにことを考えてみようかな、今日はもうちょっと遊んでみようかな、そんな気にさせるような感じ。

ジンジャーエールは普通に美味しいジンジャーエールだった。将棋の入門書を読んで、ちょっとボーッとして店を出た。

 

やっぱりなんかクリームソーダ飲みたいなあ、と思いながらバイトに向かう。夜に相対性理論の「ウルトラソーダ」とか聞いてみたりする。

ぼくはクリームソーダに何を求めているかはわかんないんだけど。まだ見たこともないクリームソーダに求められるものなんてないんだろうけど。だけど、なんとなく、クリームソーダが飲みたいなあ、と思う。

ポストカードの使い方がわからない

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入院中の友達のお見舞いに行こうと思って、家で「苺ましまろ」を探してたらポストカードがたくさん出てきた。「モネ展」とか「印象派展」とか「フランシスベーコン展」とか行ったなあ、懐かしいと思いながら、なんでポストカード買ってたんだっけ? となる。飾るにも美味い飾り方がわからないし、別に誰かに送るわけでもないし。

絵はモネとかポール・シニャックとかが好き。ゴッホも好きだから印象派の絵が大変好みなんだと思う。ダリとかのシュールレアリズムな感じも好きなんだけどね。そういえば「ミッドナイト・イン・パリ」のエイドリアン・ブロディが演じるダリは最高だった。

 

昨日インスタグラムを起動したら、高校からの友人の写真。「○○(友人の名前)ちゃん 仕事お疲れ様! 疲れたときには甘いものをどーぞ ☆☆より」みたいな可愛い感じのメモとともにコンビニのロールケーキの写真。なんというか、純粋に羨ましいという感情しかなくて「いいね!」とかやってた。「いいね!」ってなんだ。そんな三文字でぼくの感情が表されてたまるか、と。

その友人はぼくと生年月日が全く一緒である。同い年。同じ誕生日。同じ牡牛座。虚宿。趣味も似ててそいつの好きなバンドはぼくもだいたい好きだし、ぼくの好きなバンドもそいつはだいたい好きだ。一緒にバンドを組んでブルーハーツの1000のバイオリンとかコピーした気がする。Lainy J GrooveとかYeYeのライブとか一緒に見たっけな。

しかし彼には付き合って四年目の彼女がいるし、なんなら彼女とずっといたいとか言っている。どこで差が生まれたのだろう。

昨日1人で飲んでたら彼から突然ラインが来た。なんだか疲れているようだったので「青山学院大学の女の子は最高だよ」って言ってた。

こういう差だな。とちょっと思った。

ちなみにぼくはコンビニのロールケーキで言えばローソンのやつが一番好き。あれは本当に、クリームが美味しい。