ベイビー・カレー・ラブ
「カレーを食え、カレーを」
と怒られたので積極的に時間を見つけてカレーを食べることに決めた。ぼくはカレーが好きだ。自分でスパイスからカレーを作るぐらい好きなんだ。
なんでカレーにハマったのかは覚えてないけど、多分神保町が大学の近くにあったから自然とそうなったんだと思う。
ぼくは基本的に一人で行動しがちなので、一人でお店で食べてても恥ずかしくもなんともないカレーは、格好の食べ物だったんだと思う。
カレーはさ、いつだってぼくの友達だったってわけ。
20歳の誕生日のときは、エチオピアで豆カレー辛さ70倍を食べること成人の儀式を果たしたし、ボンディにはほとんど正装に近い格好で行った。
大学に疲れたらライスカレーまんてんのシュウマイカレーを食べた。キッチン南海ではいつもカツカレーを食べるか、イカフライ生姜焼き定食を食べるかで悩んだ。
でもいつの間にか疎遠になっていた。別に嫌いになったわけじゃない。タイミングってあるじゃん。
ほら、ずっと仲良かった女の子と、そういえば最近連絡とってないな、ってなるとき、あるじゃないですか。
なんかのタイミングなんですよ。「お互い30歳になって相手がいなかったら結婚しよう」なんてサムいこと言い合うような仲だったとしても、気がつけば「最近会ってないな」となる。そうだ。多分、この前最後に会ったときは、向こうがなんか気になる男がいるんだよね、みたいな話をしてたときだ。
そうそう。それでなんだか連絡するのが気がひけてさ。だってほら、別にお互い好きとかそういうわけでもないし、なんかここでまた連絡するのも、ほら、自意識過剰っていうかさ、なんかこう、好きって言ってるみたいやん、なんか、ほら。そういうのちゃうねんな。
別に向こうだってぼくと会いたかったら連絡するやん。そういうの無いやろ。ほら、無いねん。だからこう、別にぼくなんかええってなるわけで、だからタイミングとか、そういうのもなくなるし、今はそういう流れっていうかさ。
とか言ってる場合ちゃうねん!!!!
せやからお前は!!!ピーーーーなんや!!!!!
というわけでぼくはカレーを食べる。
カレーが好きだ。それには正直になりたいわけです。
京橋屋カレー
Rojiura Curry SAMURAI @神楽坂