ハチミツとトースト
菓子パンよりも最近はトーストが好きだ。
トースト。食パンを好みの厚さに切って、焼く。それだけのシンプルな食べ物だ。
シンプルだから、食べ方というのは人それぞれだ。そこに性格が出るとか出ないとか誰かが言う気がする。もちろん、きっと童貞の中学生も「男の人って結局は何も考えてないんだよね」なんてわかった風なことを言う21歳の社会人ニ年目の女性も「こんがり目に焼いてイチゴジャム付けるのが好き」と言う可能性があるんだから、一概に性格が出るとは言えないけれど。
ちなみにぼくは先に蜂蜜を塗ってそれから焼くのが好きだ。熱々の蜂蜜と、それがよく染み込んだ食パンという、深い付き合い方がぼくは好きなのだ。そこにはもう何も入り込む余地がない。ブルーベリージャムでさえ、この領域には入れない。
ところで世の女の子はどういう風にトーストを食べるのだろう。
女の子とトーストを食べるという機会は滅多にないと思う。ある人は正直に手をあげてほしい。ぼくは思う。その人たちはすごい。女の子とトーストを食べる。それはもうプロポーズじゃないだろうか。
「こんがりめだっけ?」
これはもう、愛だ。愛でしかないと思う。女の子にトーストを焼いてあげる。まだちょっと眠そうな彼女は、マグカップを両手で持ってコーヒーを飲む。マグカップはマリメッコのやつが良い。ぼくは以前先輩にプレゼントでもらったやつを使ってる。
彼女のトーストの食べ方を覚えよう。こんがり目に焼いて、マーガリンをつけ、そして、ああそうだ。彼女はりんごジャムが好きだった。それも、実家(りんごが美味しそうなとこってどこだろう)から送られてくるやつだ。地方にしか売ってないんだってさ。
明治屋でりんごジャムを見るたびに彼女のことを思い出す。シナモンが入ってるやつ、彼女は好きだろうか、と考える。
君はどういう風にトーストを食べるの? ぼくは気になって仕方がない!
ところで、書いていた作品「キツネ・サマー・サヨナラ」が完結した。一応。
ぼくは人の意見をもらい、改稿を励む厚かましいタイプだ。一人で小説なんて書けるわけがない。
だから何か感想一言でも、アドバイスなんてくれたらそれはもう飛び上がるほど嬉しいので、宜しくお願いします。
今年も一年お疲れ様でした。
来年も良い年になるといいな。