死にたがりビバップについて(3)

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神保町のバイト先に向かうとき、いつも書泉グランデに入ってライトノベルコーナーを見ていた。

ここにぼくの書いた作品が並ぶのか、なんて思ってもらいながら全然実感が湧かなくて、正直いつも「新人賞からめちゃくちゃ売れてる友崎くんすごいな〜」とか思うだけだった。

 

しかし、今、書泉グランデに並んでいるではありませんか。「死にたがりビバップ

なんていうかもう、言葉にならない。嬉しいとか興奮するとか不安とかそういうそういうのを超えました。

「あっ、並んでる」

今のぼくの顔を見ると山羊よりも鹿よりも阿呆な顔をしているに違いない。なんだその語彙力。仮にも作家だろ、作家。

 

「死にたがりビバップ」が店頭に並ぶにあたって、不安なことは結構あったんですよ。

この作品、他の受賞作と比べて、何を推すべきかがわからないんです。

他の受賞作二点は、ストーリーやキャラクター、構成まで全て魅力的でとても面白く、なによりどこを推すべきかがとてもハッキリしている。

だから特典もメインヒロインのエロい絵(ぼくも欲しい)がつけられたりと。ぼくもエロい絵欲しかった。

まあ仕方ない。ぼくもそう思う。「こんな売りにくい作品! なんで書いたんだ!」と。

トーリーは雑、主人公は濃すぎて共感できない、キャラクターはというと今の主流ヒロイン達から大きくかけ離れたキチガイばかり。

売る気ないだろ! って思うんです。ぼく的にはめちゃくちゃ面白いんだけど。そりゃ、自分でも面白いと思わなきゃ12万字も文字書かない。

 

でもこうして出ると、絶対に読んでほしい!って思う。

 

この本の魅力はなんといっても、真面目に馬鹿をしているところです。登場人物もみんな真剣です。でも、馬鹿です。話の構成からキャラクター、設定、ネーミングセンス、何から何まで馬鹿。

でもその馬鹿を全て文章の勢いで押し通します。波のように襲ってきます。ライトノベルのわりに、ページを開くと黒い部分が多すぎるみたいなとこばっかりです。

 

よく伝わらない紹介なんですけど、ちょっとでも読んでくださるとわかると思うんです。

ちなみに主人公の名前「メリック・ター」アホかと思います。

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