踊ってる方が可愛いよ
実はと言うと、ライトノベルをあまり読まずに育った。
大学生になるまで、というか小説を書くまでは本を読むといえばだいたい姉の影響で、安部公房とか遠藤周作とかカポーティとかそういうのばかり読んでいた。
例えば一般文芸だと森見登美彦とかは好きだったし、児童書だと夢水清志郎シリーズとかは読んでいた。
でもぼくにとってライトノベルというのは、その昔友人に借りて読んでいた「とらドラ!」の印象しかななった。「とらドラ!」はめちゃくちゃ面白かった。ぼくは亜美ちゃん派。
だからライトノベルを書き始めてからライトノベルをちゃんと読むようになった。その中でも「イリヤの夏、UFOの空」は教えてもらって本当に良かった。おっくれってるーーーーーぅぅぅぅぅ!!!! って言われてると思う。なぜ今まで読まなかったんだろう。
そんな中最近読んだ「青春ブタ野郎シリーズ」
面白かった。麻衣先輩が可愛い。というか「マイ」って名前の女の子はだいたい可愛い。これは偏見である。
しかし思ったことがある。ライトノベルの主人公。女の子に手慣れすぎでは?
ぼくにとって女の子というのは「わけわからん!」となるものであり、自分の思い通りに女の子と会話が進んだことがない。
自分の言った些細なことが女の子を不機嫌にさせたりドン引きされたことの数は知れず、自分の言った本気の言葉を軽くスルーされたことの数も知れぬ。
そうかと思えば不意打ちで女の子の一言がぼくに痛恨の一撃を与えることがある。ここで「快心の一撃」と「痛恨の一撃」をちゃんと分けることができたぼくは偉い。
しかしこの小説の主人公、梓川咲太は違った。
「今、私が震えながら『消えたくない』って言って、泣き出したらどうする?」
「背中から抱きしめて『大丈夫だよ』って耳元で囁こうかな」
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(電撃文庫)より
な、なんだこれ。年上のめちゃくちゃ美人の女の子と普通こんな会話ができますか。
ぼくなら年上のどちゃかわな先輩にこんなこと言われたら「へっ、へぇ? あっ、どうしたらいいんですか?」とか山羊みたいなアホヅラで言うと思う。山羊の顔とぼくの顔を重ねて欲しい。
だからぼくの書いたライトノベルの男キャラは総じて女の子に困っている。
女の子のキャラクターたちも、ぶっ飛んだ女の子ばかりである。
ぼくにとって女の子というものは一生理解ができぬものだと思う。