POPEYE に聞いてみろ
昔の写真を見直してたらレモン牛乳を飲んでいた。
POPEYEという雑誌がある。
magazine for city boyと謳うこの雑誌がぼくは好きで、毎月出るたびに必ず目を通し、シティーボーイとは何かをセブンイレブンの店内で考え、そしてモンスターエナジーウルトラを買う。
特に毎年1月に出す「ガールフレンド」という特集の号が大好きだ。その月だけはmagazine for city girl と表紙に書かれている。POPEYEを買うシティーボーイの恋人たるシティガールのための雑誌に変わるのである。なんとも洒落たことをする。
しかし何がいいかって、「女の子のためにできる100のこと」とかそういう企画であるというのに、載っていることが全部男の一人歩きした妄想なところである。
いや、女の子が「彼氏には絶対にツイードのジャケットを着てほしい!」なんて言うだろうか。ぼくの知る限り、女の子というものは彼氏がファッションオタクだったらドン引きするものである。
「外国人風のラブレターを書く」
いや、キモい! はっきり言ってキモい!いまどきラブレターとか100年の恋はさすがに「まぁ、たまには……」とイケるかもしれないけれど、半年程度の恋ならば確実に冷める。ラブレターが遺書になる。
「『ごっつええ感じ』のDVDを用意する」
だいたい「ダウンタウンは天才」とか語り出す男はダメである。ガキ使のトークのDVDとかも普通は隠すべきだ。趣味の押し付けは良くない。
その他にも映画の話とか本の話とかいろいろあるけど、どれもこれも女の子が好きそうなものではなく「こじらせた男が好きそうなもの」ばかり載っていて、もしそんな映画を女の子に勧めようなものならドン引きされるだろうって感じがする。ミシェル・ゴンドリー好きな男は何をやってもダメなのだ。女の子は「美女と野獣」が好きなのだ。
でもぼくは「POPEYEでイケてるとされている男」がイケてると信じているし、そういう行動を頑張ってとる。女の子が重そうな荷物を持っていたら「持つよ」ってちゃんと言うし、会う前にはええ感じの(自分にとって)手土産なども用意する。頭の中では「だってPOPEYEにそう書いてあったから」と言っている。
目指せシティボーイ、なんて言いながらパラブーツを磨くし、シャツも第一ボタンまで締める。
しかしシティーボーイって言葉の意味が未だになんなのかわからない。
だいたい23歳の、女の子の手も繋げないような男が「ガールフレンド特集」を読んでいるという現実、しんどい。非常にしんどい。