ミルクセーキのセーキってなんだ

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神保町のさぼうるという喫茶店で友人とお茶した。

友人は「サクッとお茶できるサクフレが欲しい」と「セフレが欲しいんだよな」と同じテンションで言う男である。ぼくは「セフレが欲しいんだよな」と言われたときの「うん」と同じテンションで「うん」と返した。

ぼくはいちごジュースを注文した。さぼうるの名物でもあるいちごジュースは、氷とミルクとイチゴシロップやらなんやらをミキサーで混ぜただけのジュースである。そこまでフレッシュだと感じることもないのだけれど、なんだか美味い気がする。

友人はミルクセーキを注文した。

ミルクセーキってなんやろ」

「わかんないけど、甘いやつでしょ?」

「ちょっと待って。検索する。現代っ子やから」

注文した飲み物が届いたとたんにぼくたちはInstagramを起動する。現代っ子である。

そうして翌日見返したら、ぼくのあげた写真と並んで、友人も同じ構図、ただし撮られた向きが違う、みたいな写真を投稿していた。

別に恋人といるとは言ってないけど、あの時間あの2人は同じ空間にいて同じ写真を撮ってましたみたいな。

ぼくはそういうのを彼女とやりたい。「いやあ、バンドスピナー探しててさあ」とか言ってる男となぜこんなことをしなければならないのか。悔しかったから「ミルクセーキなんてカスタードクリームと一緒やぞ」と言っておいた。

 

友人のiPhoneのホーム画面がチラッと見えたらめちゃ綺麗な女性が見えたので「それ誰?」と言ったら「この彼女超よくない?」と言ってきた。フォトジェニックな彼女だという。

確かにめちゃくちゃ可愛かったし正直モデルだと思ってた。悔しかったので「ほっ、ほぉ〜ん」と微妙な反応をしてやった。

めちゃくちゃ羨ましい。

ぼくも彼女のことめちゃ好きになりたいし、彼女のフォトジェニックな写真を撮って「この写真可愛くない?」と彼女に見せて「ほんとだ! よく撮れてる!」とか言われたいし、iPhoneのホーム画面にいつもしてるけど彼女の前じゃ恥ずかしいから好きなイラストレーターのイラストにホーム画面変えたりしたいし、彼女の丸眼鏡を一緒に選びに行って「すごい、サブカルクソ野郎感がする」とか笑いたいし、一緒に料理しながらよなよなエール飲んで「出来る前に一本あけちゃったよ」とか言いたいし、それで一緒に大きく手を振って歩いてナチュラルローソンに行って「僕ビール、君ビール」買ったりしたいし、帰り道に神田川沿いを歩きながら「紫陽花好きなんだよね」とかやりたい。

 

世間一般の一般男子はこういうことをやってるらしい。

ぼくは何をしていたのだろう。 

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そう思って自分のInstagramを開いたら、1人でもなんか楽しそうだった。