亀井堂のクリームパンと坂道と人生

亀井堂が好きです。

 

第一声というのは大事なものでして、それはというのも人は第一印象が基盤として今後の関係性を築いていくものだからですね。

 

まず人と初めて会うときは、見た目で9割方判断されます。「おう、あの眼鏡、眠そうな顔してるやんけ」これが9割。その後に印象をつくるのはその人の第一声。「亀井堂が好きです」

 

さて、これでぼくの第一印象は「眠そうな眼鏡(亀)」になるわけです。そのあと、出会った少女は家に帰りシャワーを浴び、ソファに座ってプリンのラベルに書かれたカロリーを確認しながら、ふと思うわけです。「あの人甲羅背負ってなかったっけ?」

 

というわけでぼくの初めてのブログの書き出しは順調に滑ったわけなんですけど、亀井堂のクリームパンはそんなのどうにでもええわいと思うぐらい好きなんです。

 

 

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お店は神楽坂の赤城神社のすぐそばにあります。なんともレトロで可愛らしい。魔女の見習いが出て来るんじゃないかしらん、と思えるような外観。窓から覗くと、おやおや、クリームパンが並んでるではないか、と思わず顔がにやけます。中に屈強なおじさんがいたら、ぼくの顔つきの怪しさゆえに、きっと出てきて凄まじい筋肉を見せつけて、ぼくを追い払うことでしょう(勿論、その際に服は破れます)

 

 

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クリームパンは手のひらでずっしりと重みがあります。しかも焼きたてに当たればラッキー。家に帰って食べることが困難になります。

「今すぐ食べたい」

ぱくり。懐かしく香ばしいふわふわのパンの香り。そしてぷるるんと震えるカスタードクリーム。程よい甘さ。これよ。クリームパンのクリームはこうでなきゃ。実はパンに包まれてるのはクリームではなくぼくなのでは?

 

自転車できこきこ、神楽坂を下ります。

片手にはクリームパン。こんなはずじゃなかったのに、という言葉の説得力を無くすもぐもぐ。下っている。こんなはずじゃなかったのになと思いながら。でも、なんか生きててそういうことって多くないっけ?  知らんけど。